鍼灸とは、鍼(はり)と灸(きゅう)のことですが、中国で紀元前に生まれ、日本では千数百年の歴史を持ち、
多くの方々を治療することによって先人によって体系づけられてきた経験医学です。鍼灸師は厚生労働省管轄の国家資格です。現在では、現代医学の観点からも鍼灸の効果が認められ、WHOにより治療法として効果があると認定されている疾患もあります。

 

当院で用いる鍼は極めて細いディスポーサブルのステンレスの鍼(長さ40ミリ、太さ0.12ミリ)で、刺入の際はこちらも使い捨てのプラスチック製の筒を用いますので、無痛で刺入することができます。

灸は艾(もぐさ)を用いてツボに熱刺激を加えます。艾の原料は、草餅の材料のヨモギです。ヨモギは、食べることもできますし、エキスをローションにして体に塗ったり、お風呂に入れたり、このように灸として使えたりと万能の植物です。
また、艾を燃やした時に出る煙にはチネオールといってリラックス効果のある香りが含まれていますので、お灸はいいこと尽くめなのです。
当院では、直接艾を皮膚に乗せることはありませんので、熱いのを我慢したり、やけどの心配はありません。
刺入した鍼の頭(上のところ)に艾をのせ点火するという灸頭鍼という施術方法を用いております。

 

施術者の経験や技術により的確なツボを選択し、鍼灸を巧みに組み合わせて治療をすることによって、
内分泌系、免疫系統に作用し、その結果、中枢性及び反射性の筋緊張の緩和、血液及びリンパ液循環の改善等の作用があり、生体の恒常性(ホメオスタシス)に働きかけ、人が持つ本来の生命力を引き出し体のゆがみを整え、エネルギーのあふれる体づくりを可能にします。

 

NIH(アメリカ国立衛生研究所)では、鍼灸治療の各種病気に対する効果とその科学的根拠を示し、西洋医学の代替治療として有効であると、見解を発表しています。